スペシャル☆アンミカ

 女性の持つすべての美しさが、その立ち姿に映る。

本気さの向こうに見える本物の美しさが、きらびやかに輝き続ける。 モデルとして成功を収め、テレビのコメンテーターとしても活躍しているアンミカさん。 幸せいっぱいの充実した時間を過ごすアンミカさんが、 「大阪モデルコレクション」に登場してくれた。

母からの贈り物

 「大人になったらモデルとかタレントになったらいいかもね」。母親のこの言葉が、アンミカさんをモデルの世界にいざなった。「その言葉を真に受けて、絶対モデルになるって思ってましたね」と幼少期に思いをはせる。

 幼いころに家の階段から落ちて口の中を大きく切るけがをした。「笑うと唇がひっくり返ってしまって」。さらに「むちゃくちゃ太ってた」と、容姿に自信がない「シュンとしている子どもだった」と振り返る。「かわいいって言われる子どもではなかったですね」

 その気持ちに光をもたらしたのが母親の教育だった。「目鼻立ちとかスタイルとかに悩んでいるけれど、一緒にいて気持ちいい女性が美人だから」と優しく語りかけながら、姿勢や心配り、ほほ笑みや話し方など、美しい女性の所作を教わった。

 それから「ミカちゃんは感じがいいね」と周りの大人たちの言葉が聞こえ始め、心に自信を取り戻した。モデルになることを意識し始めた小学校低学年のころからやせ始め、高学年から身長が伸び始めた。

鳴かず飛ばず

 母親の病床に「モデルになったという報告がしたい」と、中学3年生の時に大阪中のモデル事務所のオーディションを受けたが、「全部書類で返されま した」と鳴かず飛ばずだった。書類を送っては返されるの繰り返しが続き、ついに「実物の方がいいんで見て下さい」と実力行使。しかし「実物もちょっとね」 と落とされたという。

 それでもめげずに事務所に通い詰め、半ばゴリ押しでレッスン生となった。レッスン料の5万円を新聞配達のアルバイトで捻出。分割で払いながらモデルへの第一歩を刻んだ。アンミカ05-2

パリコレへの轍(わだち)

 高校卒業と同時に事務所を辞めてフリーのモデルとして活動を始めた。「自称モデルと言うだけで、まったく仕事がない」状態。さらに「一流と周りが認めるまで帰って来るな」と家も勘当される始末で、アルバイトの苦しい生活が続いた。

 「早く一流のモデルになって実家に戻りたい」。そこで目を向けたのが海外だった。一番安い10万円のチケットを買い、なけなしの5万円を握りしめ てパリに飛んだ。宿泊先も決めずに電話ボックスに飛び込む。「面接を受けさせてほしい」。3社だけアポが取れたが「あなたは自分が分かってないし、センス がない。デザイナーにインスピレーションを与えることはないだろう」と厳しい言葉を突き付けられた。

父の言葉

 「チャンスは後ろからやってくる。だから努力は続けるんだよ」。父親からもらった手紙がきっかけとなり、誘われて行った京都のファッションイベン トで海外のトップカメラマンに声を掛けられた。「パリに行って打ちひしがれて、髪形、ファッションを変えて、12キロやせた後だったんです」。ついにチャ ンスはやってきた。

 翌日に撮影した写真が、数カ月後に洋書のページを飾った。その写真が、モデル人生に輝きをもたらし、パリコレへの道につながった。それからCM、雑誌に出演し、パリ、ニューヨークと世界を駆け抜けた。

 「常に人生遠回りなんですが、遠回りしたおかげで知恵と工夫が生まれた。スタッフに愛されて、スタッフを大事にして仕事をしてきたから、こんなに長く仕事をさせてもらっていると思う」と常に感謝の心は忘れない。アンミカ07−2

幸せになる道

 1月15日に5冊目となる「~愛・幸・運に恵まれた人生を手に入れる~アン ミカの幸せの選択力」(大和書房、税抜き1300円)=写真=が発売 になる。「自分の心にとって気持ちいい選択をしているとエネルギーが湧いてくる」と、今までの苦労から得た心の持ち方などをつづっている。

 人は朝起きてから1日に3千回の選択をしているといわれ、「幸せは毎日の小さい選択の積み重ね」と、『自分の心がワクワクするところに行っているか』『人を支配しようとしない』など、幸せになるための選択の5カ条を提案している。

 「講演会などで女性の方から迷った時にどう選択していますかって聞かれることが多くて、私はこう選んできたから今がありますよって伝えたかった。 みんなの声から生まれた本」と、自分に向き合いながら筆を進めた。「何か迷った時に、この本がふとしたきっかけになってもらえればうれしいです」

”遊び”がテーマ

 「忙しいのは大好きで、自分が求めたことだけど、ちょっと余裕がなかった」と昨年の活発な活動を振り返る。「だからことしは仕事の中にもっと遊び の要素を上手に入れていきたい」と、ことしのテーマは『遊ぶ』。「少しのブレを楽しみたい。遊びを大事にしていきたい」と相好を崩した。

 「のどを痛めたらあかん」と封印していた「一人で10時間歌うカラオケにも行きたい」し、大阪、東京にマイボールがある「むちゃくちゃ好き」なボ ウリングに行ってレーンの油を見極めて「ガンガン投げ続けたい」と遊びの時間を増やすつもりだ。そして「ことしは子どものことも考えたいな」

(ヘアメーク 角出拡之)2015-1-3

アンミカ TEN CARAT

韓国出身・日本育ちのモデル/タレント。1993年にパリコレに初参加以後、モデル業以外でも、テレビ・ラジオ出演、ジュエリー/ファッションデザイ ナー、化粧品プロデュース、エッセー執筆や講演、シンガーとしての活動など、さまざまな方面で活躍。世界標準マナーのEPMプロトコールアドバイザー、漢 方養生指導士、化粧品検定1級、NARDアロマアドバイザーなど女性を美しくする資格を多数持つ。2013年アメリカ人の実業家と結婚。テレビ番組に夫婦 でたびたび出演し、幸せキャラで親しまれている。09年より韓国名誉広報大使、13年より初代大阪観光大使としても活躍。TBS・情報番組「いっぷく!」 の火曜日レギュラーコメンテーターとして出演。ますます活躍の場を広げている。