スペシャル☆藤原紀香

藤原紀香01 カメラの前に立つと、揺るぎない圧倒的な存在感で美しさが際立つ。シャッター音が心地よく響く空間を、一瞬で支配するとてつもないオーラに、今まで歩んできた生きざまが映り込む。関西のモデルシーンから巣立ち、力強く翼を羽ばたかせて活躍を続ける藤原紀香さん(41)。関西のモデルシーンを盛り上げるため、弊紙で毎週水曜日に連載している「霜越春樹の大阪モデルコレクション」に登場してくれた。
 
原点のモデル時代
 「モデルのころの経験はとても大きい」と、今の活動の礎になっているという。「食べられない時代も自分の歴史」と振り返る。「モデル時代にすべての色や形の服を着たりしたから、どんな服が今、自分に似合うのかも分かるし、仕事がない時代を経験してるから、忙しい時もありがたみがわかります」と、すべての経験が時空を超えてつながっている。
 「オーディションはたくさん落ちましたよ」と当時の売れない時代に思いをはせる。6畳一間の壁や天井にスーパーモデルの写真を張って、毎日見て過ごした日々。「見てるだけで頑張ろうという気持ちになった。それでモチベーションを上げてました」藤原紀香02
 初仕事は「ストッキングのCM。でも、顔は出なくて、足だけだった」。それでも「今できることをこつこつ、あきらめないことで強くなれた」と、薄紙を1枚1枚積み重ねるようにキャリアを積み重ねた。「仕事は無駄にはならない」と、後輩たちに言う。「どうすればこのページが良くなるのかを研究して、どんどん自ら提案していった」と、たとえ小さな仕事でも全力で取り組んできた。「自分でここまでできると決めたら、それに向かって突き進んでほしい」。関西で頑張る後輩たちに力強く言葉を送った。
 
渾身の一冊
 デビューしてから、洋雑誌のスーパーモデルの伸びやかな肢体からあふれ出る内面のエナジーに憧れ、いつの日かそこに近づきたいと思い続けてきた。その思いを実現させたフォトブック『N.perfect boby』が昨年11月28日に講談社から発売になった。
 「メッセージ力のあるフォトブックをつくりたかった」。デビュー当時から描き続けたイメージを具現化。「今の姿を見せたかった。41歳のうそのない自分を」と、魂を込めた写真の数々と、心根を素直に書きつづってある。「41歳になってようやくできた」とあらん限りの力を注いだ渾身(こんしん)の一冊だ。
 フォトブックの写真には修正は加えていない。年齢にあらがわず、年齢と向き合ったありのままの“今”を収めた。中でも29ページの写真は気合のショット。「事務所に怒られて反対された」と言うが、「後ろ姿、全裸の立ち姿の背中でメッセージを送った。とくに女性に見てほしいから」と信念を貫き通した。「日本は欧米とは違い、年齢を重ねた女性たちが生きにくい社会になっている気がします。胸を張って自分の年輪や経験を誇れるような女性の生き方を応援していきたいし、死ぬまで女性であることを意識して生きていたいですね」藤原紀香03
 
女性としてあきらめない気持ちを
 1月20日(日)からWOWOWでスタートする連続ドラマ「女と男の熱帯」では、テレビ局報道部ディレクターを演じる。「脚本を読んだ時、冬なのに男女のあらがえない愛のスリルとその社会派の重厚感とで、じんわりと汗が出ました。こんな脚本にはなかなか巡り合わないので、このオファーに感謝しました」と撮影にも熱が入る。
 40代で撮る初めてのドラマ。「日本では年を取るとお母さん役が多かったり。でも海外では年齢を重ねても、格好いい役がたくさんある。いくつになってもいい女の役が来るように内面からにじみ出るように年齢を重ねていきたいです」と女優としても飛躍する。
 昨年は「仕事もプライベートもいい出会いがありましたよ」と振り返る。フェイスブックも、事務所ではなく、日々、自ら生の言葉を発信し、今では著名人ランキングは首位だ。「食べたら太るし、飲んだらむくむし、私も特別ではありませんよ。40歳を過ぎても、女性としてあきらめない気持ちを伝えて、ヤマトナデシコのモチベーションを上げていきたいですね」と、女を磨き続ける。

2013-1-1

藤原紀香(ふじわら・のりか)、兵庫県出身。1992年「ミス日本グランプリ」受賞。数多くのドラマや舞台で女優業へまい進する一方、積極的にボランティアなどの社会貢献活動を行っている。2013年1月19日夜8時から放送予定のナショナルジオグラフィックチャンネル「藤原紀香が辿る赤十字とソルフェリーノの戦い」が国際認定番組となる。藤原紀香がナビゲーターを務め、日本や世界を取材し、日本と海外の絆を伝える番組「地球VOCE」(テレビ大阪、毎週土曜日午後0時25分から)も放送中。