もっとかっこよく

　指の先までオリエンタルな優雅さがたゆまなくなびく。立ち姿の後ろに、壮大な大草原の広がりを感じずにはいられない。
　「ショーが大好き。音と服によって自分を演出できる。ザワザワするんです」と、ショーの前には血が騒ぐという。「オーラを感じてもらえれば。もっとかっこよく表現できるようにしたい」と努力は惜しまない。
　モデルは「無理な世界」と思っていたＯＬ時代。それでも「一度きりの人生」と家族の反対もあったが、「応募してやってみよう」とこの道を選んだ。
　しかし、「これ以上やっても駄目。何が駄目なのかも分からない」時代も経験する。幾度も自分を見失い、ハローワークに通ったこともあった。
　それでも今は「続けてきてよかった」。あごの下に手の甲を当てて言葉を選ぶしぐさに、エレガントさがにじむ。「モデルになって自分を好きになれた。私を必要としてくれる」場所がある限り、「頑張れるところまで頑張りたい」。

（ヘアメーク　増谷祐佳）2013-3-13