やり切った感たまらない

　元気な笑顔に、楽しい時間がこぼれ落ちる。しなやかに揺れ動く指先に、エレガントな風が吹き抜ける。

　地元・奈良の街を歩いている時に声を掛けられたのが、高校１年生。「ハイハイって、女子高生のノリ」でカットモデルを引き受けた。「ヘアメークにカメラのライティング。全部自分中心に動いていた。テレビの中の世界がそこにあった」と撮影を楽しんだ。

　この楽しみが忘れられずに「モデルになりたい」と思い始める。そしてあの日から１年が過ぎ、同じ美容室からもう一度撮影したいとの依頼があった。この瞬間に「これしかない」と“やりたい”から“やる”に気持ちが動いた。

　「やりがいがあって本当に楽しい」と充実の時間を過ごす。「関わった人たちと力を合わせて作品をつくる過程が大好き。作品が出来上がった時のやり切った感がたまらない」と、あごの下でそっと指を組む。

　「人を楽しませるのが好きなので、楽しかったって言ってもらえたらうれしい。関西で、自分のペースで、これからもゆっくりやっていきたい」

　　（ヘアメーク　増谷祐佳）2014-12-1