瞳の奥に情熱艶めく

　驚くほど透明感あふれる聡明（そうめい）な表情に、春の陽気がかすめる。まっすぐ見詰める瞳の奥に、情熱が艶（つや）めく。

　幼いころから歌やダンス、演技が好きで「家でずっと踊っていた」。その延長で高校３年間は演劇科で学び、表現の礎を築いた。一時はもう一つの夢 だった美容師の道を目指したが、「やっぱり歌、モデルの仕事がしたい。表現がしたい」。その気持ちに正直に向き合い、新たな道を歩き始めた。

　「モデルはこうあるべきだ」。最初はこの凝り固まった概念に翻弄（ほんろう）され、自分を見失った。「理想を追いかけて、空回りしていた。やめた いと思った」と振り返った。そこで「自分の良さは何やろう」と、自問自答を繰り返し、研究を重ねた。そして一つの結論を導いた。「ルックスよりも気持ち。 自分のキャラを出そう」。大きな壁を打ち破った。

　「チャンスがあれば何でもやりたい。やるならとことん」と、モデルの枠にとらわれずに歌に演技にと意欲に燃える。「せっかくやってるから無駄にしたくない」。ありのままの姿を見せたその時から、「自分の居場所を見つけました」

（ヘアメーク　増谷祐佳）2015-3-23