ミス日本ファイナリスト

　大空から振り注いだ天性の素質に上昇気流が一気に舞い込む。風をはらんだ翼が羽ばたくその時、世界のランウェイにスポットライトが輝く。

　「背が高く、引き締まった体格の人をかっこいいと思っていた」と、ファッション雑誌の外国人モデルを人ごとのように見ていた。「モデルになろうとは思ってもいなかった」から。

　身長が高く、猫背気味の姿勢がコンプレックスだった。しかし、母親から「背が高いし、いけるかもよ」と言われ、関西コレクションエンターテインメントの１期生としてレッスンを始めた。「歩き方、姿勢が変わった。ショーに出始めて楽しいと思った」。レッスンの積み重ねに比例し、モデルへの興味も増した。

　「たぶん書類で落ちる」と期待すらしなかったミス日本２０１６ではファイナリストまで上り詰めた。来年１月には桂由美のショーでパリコレに出演が決まっている。「ウオーキングを極めて、オーラを出せるようにしていきたい」。自らの未熟さに真正面から向き合う１８歳の笑顔に、初春の風がさわやかに吹き抜けた。

　（ヘアメーク　増谷祐佳）2016-3-7