藤原紀香、吹石一恵、吉岡美穂らを撮影するなど、ポートレートフォトグラフの第一人者として知られるフォトグラファー霜越春樹が、関西ファッションモデルシーンを盛り上げるために、最前線で活躍するモデルを紹介する。

「仕事は楽しい、天職」

　「高校生の時に街でスカウトされて」この道を歩き始めた。「まったく知らない世界。一から勉強でした」。ウオーキングはレッスンを繰り返した。「かなり苦労しました」と“素人”から“プロ”への厳しい道を乗り越えた。
　今はファッションショーを中心に活躍する。あるショーでの出来事。見知らぬおばちゃんに「来てよかった」と声を掛けられた。その人は引きこもりがちで、勇気を出しておしゃれをして見に来ていたという。「歩いて服をきれいに見せることで、人に勇気を与え、幸せにすることができる」。そう確信した瞬間だった。「仕事は楽しい。天職です」
　中学の時には身長はすでに１６５センチ。当時は「コンプレックスだった」が、今では「足の長さ」が一番のアピール。「目標を持ってないと頑張れないので」と視線は世界を見据える。「３年以内に世界に出たい」。ミラノ、パリ、ニューヨーク。緩やかな笑顔の中に、決意を秘めた。

　（ヘアメーク・増谷祐佳）2012-10-3