454 松原菜月

生き方含めかっこよく

 カメラと向き合ったその瞬間から、かっこよさが砂地に水がしみ込むようにじわじわと広がる。

 モデルスクールの代表が書いていた自己啓発本と偶然出合い、「堂々とした自分になりたい」とウオーキングレッスンに通い始めた。それまではぽっちゃりしていた自分の見た目にコンプレックスがあって「周りをうらやましいと思ってばかりいた」という。

 スクールのショーに出てステージを降りたと同時に感動とやりきった感で涙があふれる。「こんな私でもスポットライトを浴びていいんや」。それまでモデルになるという選択肢は1ミリもなかったが、確かな目標が定まりダイエットを始めた。

 「自分の良さを発揮できるモデルになりたい」。強みを見つけるために研究する日々。「まだ強みが見つからない。何を求められているのだろうか」。周りが見えてきたからこその試行錯誤が続く。「やっとスタート地点」と今の立ち位置を冷静に見つめる。

 「昔より今の自分が好きになってきた」。らせん階段を上るように少しずつ自信を積み重ねてきた。「モデルっぽくないけど、生き方を含めてかっこいいと思ってもらえるようになりたい」

 (ヘアメーク 浦中桜)2023-2-11

まつばら・なつき  アートキャップ

T160 B74 W59 H89 大阪府出身。「京都ベストアワード2022」ファイナリスト。